仲間たちと、その先の地域の方々のために

そらまめ食堂で子どもが遊んでいる様子の写真

手仕事工房そらは、2010年9月にNPO法人を立ち上げ翌年の4月に栃木県の指定を受けて、障害者福祉サービスの事業所として益子町に誕生しました。
最初はリサイクルや内職の仕事を地道にやっていましたが、目標とする利用者工賃にはならず、職員はどうしたらいいかと悩みました。そんな時に、ある仲間のお父さんから「そろそろうちのそば屋を閉めようかと思っているんだけど、知らない人に貸すのも面倒だし、そらさんでこの店を使ってくれないかい?」と声をかけられました。やったぜ!・・・これが「そらまめ食堂」の第一歩です。しかし喜んだのは束の間、お金のない私たちは自分たちで内装工事をするしかありません。暗い色調の壁を白い漆喰で塗りつぶし、座敷にフローリングを貼りました。ケガをして日赤に駆け込んだり、熱中症になりかけたり それはもうしっちゃかめっちゃか・・・
そうして3か月後の2011年10月5日、苦労の甲斐あり、町の小さな食堂がオープンしました。
そらまめ食堂という屋号は、法人名の「そら」と空に向かって伸びる「空豆」から名付けました。

不思議な建物の中の、静と動

そらまめ食堂を裏側から見た写真

そらまめ食堂は不思議な建物の中にあります。正面から見ると1階ですがお店の裏側から見ると2階になっています。それは…桜ヶ丘という斜めの土地に建てられているので、ほんとうは2階の部分にお店があるのに、正面からは1階に見えるのです。
では1階には何があるのかというと…比較的障害の重い仲間や、クラフト制作に興味のある仲間が、お店の雑貨コーナーで販売する商品を制作しています。どんな物かというと、芸術的センスのある仲間が描いた絵をペーパーバッグにしたり、羊毛フェルトやビーズのアクセサリーを作ったり、新学期に向けて学校で使うぞうきんを縫ったり、Tシャツのプリントをしたり、自由な配色のカラフルな刺繍で巾着やポーチを作ったり、ブックカバーを作ったり…。2階の食堂が「動」のイメージだとしたら、1階の工房は「静」のイメージです。自分のペースで自分のセンスでそれぞれの手が静かに動いています。

地域の中のそらまめ食堂

そらまめ食堂で販売しているソワカフェさんのコーヒー豆の写真

最初に私たちが目指した事は、障害を持っていても働きたいという仲間たちの希望を叶え、住み慣れた地域で自立した生活ができるようにお給料をなるべくたくさん渡したいということでした。でも実際に食堂を運営してみますと、地域の中に社会的に弱い立場の人たちが多くいることに気づかされました。大きな病院の前ということもあり、通院疲れのお年寄りや、小さなお子さんを連れたお母さん。重い病気を宣言された患者さん。親の介護をするお嫁さん。ニートと呼ばれる発達障害の青年。そんな方たちがお家に帰る前に、お腹に温かいものを入れて心を落ち着かせてから帰ろう…とそらまめ食堂に立寄ってくださいます。
お店の雑記帳には、心の不安や悩みを書いて行かれる方が多くいらっしゃいます。
もうそらまめ食堂は、仲間たちだけのために営業してるんじゃないなぁとしみじみ感じます。

連携している食堂

そらまめ食堂で販売しているそらまめのフェルト雑貨とバッジの写真

大きなことを言ってしまいますが、私たちが今目指しているのは地域全体の幸せです。
ご近所の女子高生と図書館と手を組んで、年に2回、障害者週間をアピールする活動をしています。月に一度、真岡市内の老人施設にお邪魔して「移動カフェ」を開いています。病院に入院している赤ちゃんのママのためにランチや夕食の出前をしています。そらまめ山岳部やマラソン部を作り、お客さんや同業者や学生さんなどと楽しんでいます。
いろんな地域の精神障害者家族会のみなさんが集まって、ほんわか茶話会ができるように会場提供しています。同業者である「障害者が頑張っている飲食店」と連携を取り、飲食の技術と利用者さんへの支援の向上に努めています。高校生がテストで100点取ったらクレープを一個あげます(100点クレープ)。
今はこんなことからこの地域を明るくしていこうとがんばっています。